LIVESENSE ENGINEER BLOG

リブセンスエンジニアの活動や注目していることを発信しています

SRE NEXT 2024に行ったら気づきが多かった話

はじめに

技術部インフラグループの鈴木です。SRE NEXT 2024に行ってきました。実はテック系のカンファレンスに参加するのは初めてです。参加してみて大きな刺激を受けたので共有します。

カンファレンス概要

sre-next.dev

信頼性に関するプラクティスに深い関心を持つエンジニアのためのカンファレンスです。 同じくコミュニティベースのSRE勉強会である「SRE Lounge」のメンバーが中心となり運営・開催されます。 SRE NEXT 2024のテーマは「Beyond NEXT」です。SRE NEXT 2023で掲げた価値観 Diversity、Interactivity、Empathyを大切にしつつ、SREの担う幅広い技術領域のトピックや組織、人材育成に対してディスカッションやコミュニケーションを通じて、新たな知見や発見を得られる場にします。

組織を俯瞰して開発組織をどう良くしていくか、プロダクトの信頼性を高めるためにはどのような視座で活動に取り組むか、という内容が多かった印象です。

カンファレンス参加前の背景

参加理由

テックカンファレンスや勉強会といったエンジニア文化を知ったのがリブセンスに入ってからであり、どのような雰囲気なのかというのを知りたかったというが大きな理由です。自分は小さい勉強会においては参加・登壇・主催をすでに経験しており、大きい規模のイベントを見ることで学べるものがあると思っていました。

得た気づきと感想

SREとは何かの気づき

恥ずかしながらSRE本を50ページほどで挫折した自分は、インフラエンジニアの強いバージョンがSREだと勘違いしていたのを本イベントで気がつきました。SREは計測、継続的改善から信頼性の高いシステムを作っていく目的のある種の文化なので、インフラエンジニアじゃなくてもSREという活動は可能だということです。

speakerdeck.com

このセッションにおいて既存メンバーへのイネーブリングを話していましたし、全体的にインフラエンジニアからSREというパスが絶対ではないという印象が強かったです。
例えばフロントエンドのSREにおいて、どうしてもインフラエンジニアはフロントの実装について疎くなりがちですが、フロントエンド専門のSREというのはGoogle Cloudのブログでも記載があります。

Google の場合、1 つの SRE チームがフロントエンドとバックエンドに分かれ、システムの規模が大きくなるにつれて、それぞれがフロントエンドのみ、バックエンドのみをサポートすることも珍しくありません(このようなチームを私たちは “mitosis” と呼んでいます)

このことからフロントエンドのエンジニアがSREのロールを持つことは不自然ではないなあと感じたのが大きな気づきでした。例えばフロントに強い人がSREの導入としてフロントエンドの小さいコンポーネントの計測から始めていくというのはありよりのありだと感じました。

SREからの組織論

SREという文化を組織に適用していかなければSREの活動はできないので、組織論にたどり着くトラックが多かった印象です。我々の組織はこうで、ベストプラクティスはこうなので、どう馴染ませて適用したかといった内容を指します。SRE本を読み返したところ、本に書いてあることは全てではなく自組織に合わせていく必要があるという記述もあったので、登壇の内容を自組織に置き換えるとやれることが色々あって面白いなと感じました。
この辺りの実践については以下のセッションが実例を交えていて参考になりました。組織がスケールしていくうちにアラートも増えるので、そのアラートのトリアージとそれに対する考え方・実践についてお話しされていました。

biz.trustdock.io

最近感じているのですが、アラートを増やすことは簡単です。ただ一度設定したアラートを削るのは増やすことに対してカロリーを使います。このセッションはそれら監視設計について参考になるでしょう。

計測への気づき

普段の自分の仕事で何かの改善を行ったときに計測を意識しておらず「なんとなく良くなった気がする」で終わっていることが何度かあったので前提としての計測を意識しよう、という気づきが一番大きかったです。信頼性の階層においてモニタリング(計測)が一番土台にあるというのに…。
当たり前すぎて常日頃意識しにくいのですが、改善のBefore/Afterにおいて常に計測を行うという、信頼性の高いシステムの作り方というより、普段の仕事に生かせる気づきを得ました。
これについては以下セッションで気づきを得ました。最近流行りの「開発生産性」ですが、それの計測を試みたLTです。これを聞いて「こういう計測もあるのか…」とシンプルに驚きました。

speakerdeck.com

計測し、失敗したが、そこから学べるものもあったという内容です。非常に良い姿勢で見習いたいです。

登壇以外での気づき

会場はサイバーエージェントさんのアベマタワーの10Fと11Fでした。休憩スペース・企業ブースの10Fと登壇を聞く会議室3つと企業ブースの11Fに分かれていました。
休憩スペースでは話を聞き疲れた時にフリードリンクでチルしつつ、他の参加者と雑談できるのが有意義でした。実は次回の主催の勉強会のテーマ決めに悩んでいたのですが、ここで雑談している最中に次回のテーマが確定しました。このように登壇の内容以外にも収穫があるのが良かったです。

今後

すぐに使えるHackはあまりなかったのですが、色々聞いていてシンプルに仕事に対するやる気が湧きました。この辺りは現地参加ならではですね。
次は登壇やスタッフ参加(勉強会で出会った人が数人スタッフをやっており気になりました)を行って新たな気づきを得ようかなと思っています。 それと次のSRE NEXTではCFPを出したいですね。実はCFPを某カンファレンスに出したのですが落ちてしまいました。CFPこそ継続してなんぼなので、引き続き続けていきたいです。