こんにちは、かたいなかです。
ここ数年、ゆるSRE勉強会やyabaibuki.devなどのイベントの運営に関わらせていただくことが何度もあり、少しずつイベント運営にも慣れてきました。
一方で、現状のイベント運営では、なんとなくやっているだけで、どのようなイベント設計が良いかなどを体系的に学んだことがないため、漠然とした不安を感じていました。
そんな中、Xで『最高の集い方』という本がオススメされていたのを見かけたので、今後のイベント運営に役立てるために読んでみることにしました。
結果、イベント運営に関わる全ての人におすすめできる最高の本だったので、この書評記事で紹介します。
TL;DR
- 『最高の集い方』はイベント運営に関わる全ての人にオススメ。
特に、「なんとなくでイベント運営を行ってしまっている自覚がある方」にオススメ! - 価値のあるイベントにするためのイベントの目的の設定や、刺激的なイベントにするためにイベントの準備段階からクロージングまでどう工夫するべきかなどが具体例を交えて説明されている
- エンジニアイベントに応用するには一工夫必要そうだが、具体例も多いので、関わっているイベントに活かせるヒントが見つかるはず
どんな人におすすめ?
イベント運営に関わる人・これから関わろうとしている人にオススメです。
その中でも特に、イベント運営をなんとなくやっているが、今のやり方で良いのか自信がもてない方にオススメします。
どんな本?
誕生パーティから大規模フェス、ダボス会議まで「盛り上げる」ための全秘訣が一冊に これを知っていればあなたも「神イベント」が開ける!
(最高の集い方 | PRESIDENT STORE (プレジデントストア)より引用)
この本では、価値のあるイベントにするための目的の設定や、刺激的なイベントにするために準備段階からクロージングまでどう工夫するべきか、などが解説されています。
前半は、意義ある目的に基づいて集まりを開くにはどうしたらいいかというイベントの土台部分について説明しています。具体的には、イベントの目的をつくり(1章)、それをもとに誰を呼ぶべきか(2章)、どこで行うべきか(3章)、ホストの振る舞いはどうあるべきか(4章)を考えていきます。
後半は、イベントを刺激的にするにはどうしたらよいかについて説明されています。具体的には、オープニングで別世界に引き込む(5章)、ゲスト同士の議論を活発にする(6章、7章)、クロージングで学んだことを外の世界に持って帰ってもらう(8章)などについて説明されています。
この本を通じて、イベントを成功に導くために各ステップで何を考え、どう準備し、どう振る舞うことで、イベントに対する人々の気持ちを高めていけるかの考え方が様々な種類のイベントでの具体的な事例を交えながら解説されています。
この本で対象にしているイベントの種類が幅広いため、紹介されている考え方を具体的な事例に活かすのは、各イベント運営者の手腕に任されています。しかしこの点については、具体例での説明もあり、応用方法を考えやすい内容になっているため、特に問題はないでしょう。
印象に残った箇所
以下では個人的に強く印象に残ったところをまとめます。 ここでは端折って説明していますが、書籍内では具体例も交えながら説明されているため、具体的なイメージを持ちながら学んでいけるようになっています。
ホストが主導権を適切に発揮しないと、ゲストにゲストの世話をさせることになる
3章で、ホストが寛容でありながらも毅然としてイベントを仕切ることなど、全員が意義のあるイベントを最大限楽しめるようにするホストの役割の重要さが語られています。
その中で、「ホストが主導権を持たないと、ゲストにゲストの世話をさせることになり、ホストが放棄した主導権を意図を知らないゲストが代わりに発揮して、せっかく丁寧に準備したイベントが、当初の目的を達せずにイベントが終わってしまう」といったことが書かれていたのが印象的でした。
個人的に、はっきり仕切るのか、その場のノリに任せてしまうべきかで悩むことも多いのですが、場面に合わせて適切な仕切りを行う必要性があることを再認識しました。
マウンティング合戦を防ぎ、共感のある議論を
6章では、参加者が弱みを見せられるようにすることで、参加者同士の共感を促すことができ、それが活発な議論につながることが語られています。
そのために、アドリブで話してもらったり、抽象論ではなく具体論で話すように促したり、あえて賛否両論あるような暗いテーマを話題にする方法が紹介されています。
エンジニアイベントでも、特に初対面の人が多い場面等では、表面的に成功している事例の話に終止してしまうことも多いように感じます。そんな中で、弱みを見せられるような場になっていると、うまくいっていないことやこれから改善するべき点など、一歩踏み込んだより深い議論につながるように思います。
この点は自分が関わるイベントでもなんとなく大事にしたいと思っていたのですが、この本によってはっきり言語化されました。今後も弱みを見せやすいような雰囲気づくりは大事にしていきたいです。
イベントのオープニングとクロージングでの工夫
4章、8章で解説されているオープニングとクロージングについての話は、イベントでの司会をする人なら一読の価値アリです。
オープニングには「イベントという別世界に引き込む」という役割があり、クロージングにも「学んだことを振り返ってもらったうえで外の世界に持って帰ってもらう」という役割があり、イベントの成功のためには極めて重要です。これらを行うためには、なんとなくイベントを開始してなんとなく終わるのではなく、オープニングとクロージングでイベントの目的に合わせた工夫をする必要性があります。
始まりと終わりの瞬間を大切にすることで、イベントに没頭してもらい、そして学んだことを持って帰ってもらうことに繋がるため、工夫を取り入れてみる価値がありそうに思いました。
最後に
この記事を読んでいる人はエンジニアが多いかと思いますが、この本はエンジニア向けイベントに特化した本ではありません。この本で学んだことをエンジニアイベントのコンテキストにいかにうまく落とし込んで、最高の技術イベントを作っていくかでイベント運営者としての腕が試されるなと感じています。
一方で、様々な具体例を交えて解説されているので、エンジニアコミュニティの雰囲気を知っている方であれば、書かれていることを応用していくのはそこまで難しくないはず。本を読みつつ考えた工夫を試しながら、刺激的で楽しいエンジニアイベントを作っていきましょう!
私個人としても、採用広報チームメンバーにもこの本を紹介しながら、弊社の技術イベントのyabaibuki.devをもっと楽しいイベントにしていけたらと思っています。