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発売日レビュー「ユニコーン企業のひみつ」

新規事業部でバックエンドをメインにコードを書いている iwtn です。

ユニコーン企業のひみつと記事中で言及した2冊
ユニコーン企業のひみつと記事中で言及した2冊

この記事は、以下の「ユニコーン企業のひみつ」のレビュー記事になります。 この本は「アジャイルサムライ」を書いた Jonathan Rasmusson 氏が、Spotifyでスクラムマスターコーチやエンジニアとして3年間ほど働いたことから、ユニコーン企業ではどのような働き方をしているのかを紹介しています。

www.oreilly.co.jp

shop.ohmsha.co.jp

この記事を書いた動機

この記事は以下の角谷さんのツイートに応募して、献本いただけたので書いております。ありがとうございます!

と言いますのも、先日私が読んだ「データ資本主義」という本で Spotify の組織構造について言及している部分があったためです。

www.nttpub.co.jp

この中で Spotify は、企業の中でチーム(スクワッドと呼ばれる)に権限移譲を積極的に行い、まるで市場のような人材流動性を内部で実現している、と紹介されています。 読み終わってすぐに、上記のツイートがあったため、これは渡りに船だと思い申し込みました。
そして、発売日に先行して4/22に献本いただけたので、速攻でレビューしてみました。

結論から書きますと、アジャイルは既に「あたりまえ」になり、その最先端のテック企業における働き方を知れる、刺激的で良い本だと思いました。 また、後書きには、すでに Spotify はこの本で書かれた先に行っていることが書かれていて、そのスピードに驚きました。

面白いと思った部分の紹介

3章で、知りたかった市場のような人材流動性についての内容が紹介されており、人事が人を配置するのではなく、各々が働きたい場所を選んでチームを作っているようです。 また、バックログの会社版というべき「カンパニーベット」という仕組みで、組織の大きな目標の優先順位をオープンに提示することで、社員が自分がどこに一番貢献できるかを考えられる環境など、面白い仕組みが紹介されています。

データの重要性も強調されており、カンパニーベットにおいてもDIBB(Data, Insight, Belief, Bet)という形式で整理するなど、経営判断にもデータが使われていることが書かれています。 この点においては、弊社もしっかりA/Bテストを活用していたり、アクセスログ等のデータ活用、それを補助する専門の部署もあったりするので、なかなか負けてないんじゃないか、などと思ったりもしました。

とはいえ Spotify は2006年創業ということで、実はリブセンスと同じです。 Wikipediaによれば、すでに従業員数は3000人を超えているようで、大きな差がついているなと思いました。 国を超えて提供でき、スケールする事業の重要性を垣間見た気がします。

更に、Spotifyはスウェーデンでできた企業ですが、シリコン・バレーの北米方式とは文化が違って、いわゆるロックスターよりもチームを重視することも「スウェーデンっぽさ」という節で紹介されていて興味深かったです。

細かい点ですが、アジャイルサムライと似ていてイラストや図が多く、アイコンがドット絵だったり「プロダクトセンス」(これはたぶん「スパイダーセンス」のもじり)という言葉や導入部分が「READY PLAYER ONE?」だったりなど、ギークなテイストに仕上がっているので、楽しめながら読めました。

まとめ

私の次のアクションとしては、コロナで人が減ってしまったオフィスで、稀に出社する同僚や経営陣たちの目の入る場所を探して、この本を配置することです。 今年のGWはなかなか外出が難しそうな状況なので、ぜひこの機会を逆手に取って読んでみてはいかがでしょうか?