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最後は神頼み?!リモートワークでも社内イベントを開催するための配信構成

これは Livesense Advent Calendar 2022 DAY 22 の記事です。

転職ドラフトでエンジニアをしている verdy_266 です。

リブセンスでは昨月、テクノロジーに焦点を当てたプレゼン大会として TechFes を開催しました。
TechFes はオンラインとオフラインのハイブリッド開催となったので、今回はその機材構成についてのお話です。
TechFes の概要についてはこちらをご覧ください。

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経緯

コロナウイルスの拡大に伴い、弊社ではリモートワークを基調とした働き方を推進しています。その結果、東京オフィスに所属していても、北海道から九州まで、遠方に居を構えるという方も増えてきました。

プレゼン大会を行うのであれば、発表者は観客からの反応を楽しみたいもの。一方で、オフィスに出社することを参加者全員に強制することはできません。そこで、今回の TechFes はオンラインとオフラインのハイブリッドで開催することになりました。

弊社の半期納会ではすでにハイブリッド開催を行った経験があるため、その時の運営の方に助けていただきながら、機材構成を検討することにしました。

配信構成の検討

OBS

昨年行われた TechAward では、参加者は全員オンラインで参加し、運営のみが出社をしてオフィスから配信をする構成を取っていました。その時の画面構成を参考にして、発表スライドと slack の画面を組み合わせたこういう画面↓を作るために、OBSというソフトウェアを使いました。

昨年の TechAward の配信構成については、こちらをご覧ください。

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OBS とは、複数のウィンドウや HDMI などを通して PC に入力された映像・音声を組み合わせて、1つの画面として構築するためのアプリケーションです。オンラインミーティングのウィンドウと、slack のウィンドウを組み合わせて、1画面で発表内容と反応を見ることができるようにしました。

OBS を使って YouTubeLive に配信することもできますし、プレビューウィンドウを作成することもできます。YouTubeLive に配信済みの映像をオフライン会場のスクリーンに投影すると、発表者とスクリーンとの間でのラグが激しいので、OBS で YouTubeLive に放映しながら、会場のスクリーンにプレビューウィンドウを投影するという構成にしました。

Google Meet

発表者はオンライン会場とオフライン会場のどちらからでも参加できるようにしていたので、手間を削減するためにどちらも Google Meet で画面共有することで発表してもらうことにしました。

Google Meet でカメラをオンにすれば司会や発表者の顔を見ることもできますし、広角カメラを Google Meet につなぐことで、オフライン会場全体の様子を見ることもできるようにしました。

音声

オンラインとオフラインで大きく分けて考えます。

オンラインでは、発表者の声だけ入力できれば良いので、Google Meet のマイクをオンにして話してもらいます。
オフライン会場では、司会の声、発表者の声、観客の反応を全て入れたいので、オフライン会場に高性能のマイクスピーカーを置き、それで集音することにしました。 Google Meet などのオンラインミーティングアプリケーションでは、自分の発した声はスピーカーから流れないことを利用し、司会用の PC にマイクをつないでマイクをオンにし、それ以外のオフライン会場にある PC ではマイクをオフにすることで、音の入出力経路を統一しました。

音声は目に見えないので、ハウリングした、音が流れない、などのトラブルが起こった際のデバッグがしにくいです。音がたどる流れを考えて、トラブルが起こらないように慎重に検討する必要があります。

負荷分散

昨年の TechAward レポートで、PCが重くて不安だったとの記載があります。そこで負荷分散についても検討しました。

これまでに述べてきた処理の中で特に重いのが、 OBS を使った画面統合&配信処理です。そこで、OBS が担っている処理を2台の PC に分け、PC1 で画面を統合、HDMI キャプチャデバイスで PC2 に送り、PC2 で YouTubeLive に配信するという方式を取りました。HDMI キャプチャデバイスは、弊社で保有している ATEM Mini Pro を使用しています。

完成した配信構成

最終的に完成した配信構成はこちらです。

振り返り

PCの負荷について

負荷分散について検討したものの、結局 PC1 が負荷に耐えきれないことがリハで発覚しました。熱暴走を始めてしまって、まともに使えない状態になってしまったのです。

結局、PC1 には M1mac を使用することと、本番中はサーキュレーターを当て続けることでなんとか乗り切りました。

最後は神頼み

Google Meet と Zoom 、どちらを使うか?

運営メンバーに Zoom のプロプランのアカウントを持っている人がいなかったため、安直に Google Meet を選択してしまったのですが、もしプロプランのアカウントを持っている人がいれば、Zoom の方がウィンドウが作りやすかったと思います。

Zoom では、共有画面とギャラリービューを別ウィンドウで立てることができるので、司会や発表者の顔を大きく表示することができます。

リハは念入りに

当日になって、スライドの文字が小さすぎて見えないなどの問題が発覚して応急処置をしていました。できるだけ本番に近い状況を想定し、リハを行っておくことが大切だと感じました。

スライドはできるだけ暗めの背景に明るめの文字で、文字サイズを大きめにしてもらうことが重要かもしれません。

さいごに

昨今の情勢を鑑み、オンラインとオフラインのハイブリッドでイベントを実施したいという企業も多いのではないかと思います。

配信構成を考える作業は、エンジニアリングにおける設計と似ているとはいえ、ある程度のノウハウが必要なのも確かかと思います。

この記事が、配信構成を考える方の参考になれば幸いです。