LIVESENSE ENGINEER BLOG

リブセンスエンジニアの活動や注目していることを発信しています

リブセンスのエンジニアの祭典「Tech Award 2020」

リブセンスでは、毎年の恒例行事として、「Tech Award」というイベントを実施しています。このイベントでは、エンジニアがお互いの業務を評価しあい、優れた成果を出した取り組みを表彰しています。

初の全面オンライン開催となった今回も大盛況でしたのでその模様をレポートします。

イベント概要

エンジニアがお互いの業務を評価しあい、優れた成果を出した取り組みを表彰するイベントです。

技術的には優れた取り組みであっても、事業貢献の度合いとしてなかなか評価されない取り組みをきちんと評価するため、全社表彰から分岐して始まりました。

今年からエンジニアリングマネージャとして業務を行っている人は審査を禁止し、完全に「エンジニアが同僚のエンジニアの取り組みを評価する」イベントとなりました。

以下の3つの部門に分かれて自薦式でノミネートし、当日のプレゼン発表をもとに、投票で各部門の受賞者を決めます。

  • Edge 部門
    • 先進的な技術や手法を用いた取り組み
  • Legacy 部門
    • 生産性向上やセキュリティ向上のために技術的な負債を解消した取り組み
  • やらかし部門(今年から新設)
    • 業務の中で「やらかし」てしまった体験

各部門の受賞者には賞金10万円が支給されます。

主なノミネート

Edge 部門

新規事業部での少人数開発向け環境構築(受賞)

新規事業での動画データの取り扱いと運用コストを低減するためのFargateでのインフラ構築について発表されていました。

特に、新規事業で使用している動画技術の発表は圧巻で、聴衆からは「使用している技術がEdgeすぎて、Edgeなのか判断すらできない!」との声も聞かれました。まさにEdge部門の受賞にふさわしい発表でした!新規事業に関わる内容のため資料を外部公開できないのが悔しい限りです。

brain.optimizer のレコメンド取得API

リブセンス社内で共通して利用されている機械学習基盤(brain)の生成したデータを連携する方法として、いままでのCSVベースの連携だけでなくAPIによる連携が可能になったという発表でした。

これによりABテストや制度改善施策が行いやすくなり、データの取り込みに各事業部で新規開発が必要だったのが改善されたそうです。

転職会議のEKS化の話

こちらは私(かたいなか)の発表でした。

転職会議SREチームで1年かけて行ってきた、ECSで動いていたインフラをEKSに移行したプロジェクトの概要について話しました。

新基盤により、ECSで抱えていた独自デプロイツールの保守の問題や運用負荷の問題を解決し、カナリアリリースやサービスメッシュと行った新しい技術の採用に取り組んでいける準備が整ったという発表でした。

Legacy部門

redash2ss - query2csvサーバレス化 (受賞)

社内で負債化していたRedashからCSVに書き出すツールを、サーバレスアーキテクチャでRedashからSpreadsheetに転記するツールを作ることで解決した話です。

社内で利用者が多いが負債化していて運用が辛いツールはどこの会社にもあると思いますが、そんなツールをサーバレスアーキテクチャでの再構築により解決していました。

個人的に、基本的にはサーバレスアーキテクチャで構築しつつも、どうしても必要な部分だけオンプレに寄せ、オンプレとクラウド間の接続部分をSQSでうまくやっているのがアーキテクチャ的にも素晴らしいと感じました。

転職会議におけるシステム構成図のコード化への挑戦

転職会議のシステム構成図をGraphvizによりコードから生成した話です。

ただのシステム構成図ではなく、PDFで出力することで、システム構成図中のコンポーネントをクリックすることでそのサーバにアクセスできたるようにしたりと、随所に工夫が見られました。

lvimg

社内で使われている画像配信システムがImageMagickを使用して構築されていた頃からどのように改善してきたか、5年の運用・改善の歴史を振り返る発表でした。

最初複雑だったシステム構成から、キャッシュの階層構造を整理し、SPOFをなくして冗長化していく流れが説明されていました。

いろいろな技術的困難を乗り越えながらも、Goで内製した画像配信サーバにWebPを組み込み、自動アップグレードを有効化していたため、iOSでWebPが有効化された初日からWebP形式の画像が使用できるように準備できていたそうです!

やらかし部門

今回から新設された部門です。

「やらかし」てしまった体験を共有する部門であることもあり、今回の記事では内容は非公開にさせていただきますが、自分だったらと考えると鳥肌が立ってしまうようなやらかしから、進め方を誤って時間が溶けてしまったというやらかしまで様々なやらかしが紹介されていました。

リブセンスの社員としてこういった失敗を部門内にとどまらず、全社のエンジニアがいるオープンな場で振り返り、学びにつなげていける文化は強みだと感じています。さらに、ただ共有するだけでなく、やらかした社員に賞金を払うというのも他社ではなかなかできないユニークな取組みだと思います。

まとめ

発表内容もバラエティ豊かでかつ発表後の質疑応答も鋭い質問が飛び交っていていました。新しい取り組みだけでなく、負債の返却等で足元を固める活動をしている方にも脚光があたる機会であり、多くの方にとってモチベーションを高める機会になったのかと思います。

個人的にも、普段の業務では他の事業部のエンジニアの活動がどうしても見えづらいため、こういったイベントを通じて他部署の活動を知れるのは刺激的な機会でした。