LIVESENSE ENGINEER BLOG

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エンジニアブログ書き続けるのがしんどい俺たちに送る小咄(こばなし)

ブログ執筆って難しいよね

こんにちは。転職会議事業部でエンジニアマネージャーをやっている落合です。先月からマネージャーをやることになりました。胃が痛い………。

早速ですが、みなさんは継続的にブログ記事などのアウトプットってできていますか?私はできていません。

そもそも、なぜ私たちはエンジニアブログなんて書いているのでしょう。この記事にもある通り、エンジニアブログは本来採用の文脈とは別に自分たちの備忘、あるいは同じ問題に直面する他のエンジニアに向けた親切心、あるいは社会還元のために執筆・運用されていたように思います。

newspicks.com

一方で、現在のエンジニア採用は売り手市場であり、採用する側からすれば自社の技術や文化、働いている人の人となりを多くの人に知ってもらうことが重要です。この際、エンジニアが継続的に執筆・投稿しているエンジニアブログは、応募者が実際に働くかもしれない人たちの技術・興味・人格などを知るための効果的な接点になりうるでしょう。

上記のような背景も相まって、技術ブログを作って記事を投稿する個人や会社も多くなってきたと思いますが、実際にはなかなか記事を投稿し続けることは難しいのではないでしょうか。

かくいう私もその一人でして、記事を書くのは苦手・めんどくさいと感じてしまうことがよくあります。チームメンバーにはブログ書いてほしいな〜(チラッ)とは言ってはいるものの、自分自身で記事を書くためにパソコンの前に座るのがわりと苦痛です。

なんなら苦痛すぎて仕事場を抜け出して自宅近くのカフェでサボりブログのプロットを考えたりもしていました。その時に考えていた記事のテーマは「読みやすい文章を書くための方法」だったのですが、途中で気づきました。

「むしろみんなが困っているのは、継続してエンジニアブログを盛り上げていく方法なのではないか?」

そんなわけで、今回は記事を書き続けることが難しい理由を2つほど提示しながら、社内の人たちに聞いたアウトプットを続けるためコツや、エンジニアブログの運営チームとして継続してブログを運営していくために行っていることを共有してみようと思います。

そもそもテーマ・ネタがでてこない

いざ記事を書こう!となっても、いきなりテーマやネタが思い浮かばないというのは、どんな人も一度はぶつかる問題だと思います。

少し本題から逸れますが、リブセンスではエンジニアの技術投資を促進するため技術投資10%枠という制度を設けています。文字通り業務時間の10%を技術的な挑戦に割り当てるという制度でして、本当は技術投資の中で得られた成果や知見がもっと記事として投稿されていてもよさそうです。また、私たちのチームのようにエンジニアブログを投稿し運用していこうというチームが社内にある(=業務時間を割り当てることができている)にもかかわらずネタが出てこない場合は、何かしらアプローチに工夫の余地がありそうです。

このあたりは、社内で個人ブログをやっている人にアドバイスをもらえたので早速紹介していきたいと思います。

テーマ・ネタは忘れないうちにメモしておく

ネタが思い浮かばないなぁ………と思いながらこの記事を読まれているみなさんは、記事を書こうと思ってからネタを考えがちではないでしょうか。実は、記事を書けるエンジニアを順序が逆なのです。つまり、記事を書けるエンジニアは「記事を書こうと思ってからネタを考える」のではなく「あらかじめ記事のネタになりそうな内容・アイデアを書き留めておき、記事を書こうと思った時に具体化・清書していく」のです。 この内容・アイデアの粒度は人によってさまざまですが、例えば、以下のようなスタイルになるでしょう。

  • ネタになりそうな技術的調査結果について、自分が分かる程度のメモを残しておく。記事を作ろうと思ったときに読みやすい形に成形する
  • ネタになりそうな話題をメモしておく
  • 「あとで調べること」をリストで残しておく。Twitter等で流れてくる技術記事や、業務の実装でわからなかったことがあれば適宜リストに追加する

順序が逆、というのは言われるとなんでもないことのように感じるのですが、自分にとっては新しい気づきでした。自分の場合、会社のSlackにtimesチャンネルを作っているので、調査結果の備忘録や記事のアイデアを今まで以上にそこに残すようにしています。

また、timesでなくても作業内容をリアルタイムにチャット発言しながら作業すると後から記事やWikiなどにまとめるのも楽になるのでおすすめです。

社内Wikiの内容で、社外公開できるものは記事にしてしまう

こちらは社内に何らかの情報を集約する場所がある場合に有効な取り組みになるでしょう。

最初は社内向けに書いていたが、少し文章を手直ししたり、その会社・事業に固有の部分をちょっと修正すれば記事として成立するというものは少なからずあるのではないでしょうか。

リブセンスでは社内WikiとしてConfluenceを使っているため、ちょっと修正すれば社外に公開できそうなドキュメントを探して公開できないか、執筆者と相談していく活動を進めるのも良さそうです。

社内ドキュメントを用意するタイミングでCacooなどのツールで外に出しても恥ずかしくないぐらいの図を作っておくと、記事化するときに気が楽でなおいいのではないか、という意見もありました。

アイデアをみんなで出す

こちらは個人ブログではなかなかやれない方法だと思いますが、組織としてエンジニアブログを運営しているような方はぜひ検討してみてください。

現在リブセンスのエンジニアブログは、有志のエンジニアがチームを組んで運営を行っています(もちろんチーム外のエンジニアの記事投稿も歓迎しており、ネタの相談に乗ったり、内容のレビューを手伝ったりしています)。

チームとしてブログを運営することの利点の一つは、さまざまな視点からアイデアが出てくることだと思っています。

例えば、ブログ運営チームでは定期的にミーティングの時間を設けており、その中で投稿した記事の評判や数値を確認しながら次の記事のアイデアを出し合っています。自分一人では思いつかないアイデアがひらめいたり、ボツにしていたテーマを膨らませることで新たな記事が生まれたりすることもありました。実はこの記事自体も危うく自主的にボツにしかけたのですが、チームメンバーの励ましや切り口の提示などの支援もあり、こうして日の目を見ることができています。

書くモチベーションが続かない

この記事を読んでくれているエンジニアの何人かは、画面の前でうなずいてくれているんじゃないでしょうか(笑)。私自身、記事を書いている間にプログラミングしたいと思ってしまうタイプの人間なので、継続的に記事を執筆するモチベーションを保てないこともよくあります。

ただ、これも工夫次第である程度カバーできると思っています。今回は個人として記事を書き続けるための工夫と、会社のエンジニアブログで継続的に発信するためのモチベーション管理という2つの観点から私たちがやっていることを紹介したいと思います。

チームとチーム目標を作る

こちらも組織としてエンジニアブログを運営する場合ならではの方法ですね。

先ほども少し書いたように、リブセンスのエンジニアブログは有志のエンジニアがチームを組んで運営しています。業務時間を使う活動でもあるので、チームとして記事の投稿数やブログの各種指標について目標を定めて、各種の活動を行っています。

自分たちの目標設定にブログ運営を組み込むというのは、かなり外的なモチベーションの作り方のように思う方もいらっしゃると思いますが、やはり集団で目標を立てて活動を行うというのはモチベーションを維持するということには有効で、今も継続的に活動できている理由の一つになっていると思います。また、チームとして定期的に集まりお互いの記事や活動を報告・称賛したり、背中を押してあげたりする場を用意しておくことは内的なモチベーションの向上にもつながります。

エンジニアブログを業務として目標を立てて運営することを認めてくれる会社・組織ばかりではないと思うのですが、もし職場に巻き込めそうな同僚がいて、会社・組織も前向きに考えてくれるのであれば検討してみてください。

毎日少ない時間でも書く

これは書く習慣という書籍で紹介されていた手法です。この書籍では、文章を書くモチベーションが上がらないのは文章を書くことが習慣になっていないからだと指摘しています。 従って、まずは毎日ほんのわずかな時間(5分程度)でもいいので執筆作業に使うというアクションを紹介しています。

www.cm-publishing.co.jp

私は毎朝15分間ブログに執筆にあてる予定を組み込んで運用していましたが、確かに毎日執筆ができている時期は執筆のハードルが大きく下がったと感じています。

一方で、まだまだ課題も感じていて、例えば「朝の時間はチャットへの返信や相談への対処など緊急度の高いものに時間を使ってしまい、結局執筆できない」、「突発的なトラブル対応やミーティングがあり、1週間執筆ができない」、「日をまたいで書くので、その時の気分や調子によって文体がまちまち」といったことも発生しています。

とはいえ、このような問題は定期スケジュールを入れるタイミングの工夫や、最後の校正や文章レビューの時間で解決する問題ではあるので、今後もブログを執筆するときは引き続きこの方法を取っていこうと思います。

まとめ

以上、記事を書くことがどうしても苦手な一人のエンジニアとして、周囲で見聞きしたことや最近実践していることをご紹介しました。それぞれのアクションは、すでに記事を定期的に公開できている人にとっては自明の内容も含まれるかもしれません。あるいは、みなさんが直面しているような環境では使えないものもありそうです。ただ、これから継続的に記事を書いていこう、アウトプットしていこうという個人や組織にとって少しでも参考になればと思い公開することにしました。

後学のためにも、読者のみなさん自身や、みなさんが所属する企業や組織でどのようにブログを継続しているかをTwitterやはてブなどで共有してもらえると嬉しいです。