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『Fearless Change』を読んで巻き込み上手なテックリードになろう

エンジニアとして一定以上大きい仕事をする際には、他人を巻き込んで仕事をする力が必要になってきます。 新しいフレームワークや言語の採用、自動テストの導入、インフラ基盤の刷新、スクラムの導入など、一定以上の大きさの取り組みでは折に触れて他人の巻き込みが必要になってきます。

そんな巻き込み力で苦労されている方も多いのではないでしょうか。かくいう私自身も現在進行形で苦労しています。

この記事ではそんな悩みを少しでも解決できればと思い、個人的に巻き込み力の決定版教科書だと思っている「Fearless Change」という書籍を紹介します。

TL;DR

「Fearless Change」は組織にアイデアを広めていくための、巻き込みに関するベストプラクティスをパターンとしてまとめた書籍です。

テックリードなど他人を巻き込んで仕事をするエンジニアにはおすすめです。

「巻き込み」の課題感

新しいアイデアを組織に広めようとすると、担当者は取り組みのフェーズごとに様々な課題に直面することになります。例えば以下のようなものです。

  • 何から初めて良いかわからない
  • 同僚に強く反対されてしまった
  • 誰に協力を求めていいかわからない
  • 自分だけが進めている状態になってしまった

自分ひとりが信じているアイデアを周りに広め、沢山の人を巻き込み、みんなが行っている状態を目指すのはとても大変です。進めていく上で孤独に苛まれたり大きな不安に襲われたりすることもあるでしょう。

そんな難しい「巻き込み」をうまく行うにはどうしたら良いのでしょうか?

巻き込み力の決定版教科書「Fearless Change」

巻き込みに悩んだ方にぜひともおすすめしたいのが、Fearless Changeという本です。

https://www.amazon.co.jp/dp/462108786X

どんな本?

この本ではアイデアを広めるための巻き込み方を48のパターンを通じて学ぶことができます。

サブタイトルに「アジャイルに効く」とありますが、アジャイルはあまり関係なく、アイデアを広めるための汎用的なパターンを紹介するための本です。

本の内容は大きく前半と後半で分かれています。前半はアイデアを広める各フェーズごとに行うことを順番に紹介しているため、全体像を流れで理解することができます。後半は前半で紹介された48のパターンがまとまっており、短い時間で復習するのに便利です。

どんな人におすすめ?

テックリードやマネージャなど、人を巻き込みながら大きな仕事をする必要がある人にはおすすめです。

その中でも特に、テックリードになりたての方や最近はやっている技術を組織に広めたいという熱意を持っている方は、読むと今後の仕事の大きな助けになるでしょう。

この本のどこが優れているの?

様々なパターンが網羅されているので、自分が置かれている状況に合わせてどのような行動を取ればよいかのヒントが得られます。

また、すでに他のメンバーを巻き込みながら仕事をしている人でも、網羅的なパターンによってどのような動き方が得意で、どのような動き方が苦手なのかを認識することができます。

他人を巻き込む仕事の初期は孤独になりがちなのですが、様々なパターンでの成功例が紹介されているので、そんな仕事の第一歩を踏み出す勇気をもらえます。

本の内容をどうやって活かすか

私自身は、この本を仕事をする上でネタ帳として活用しており、実際に現在企画している外部の講師の方を呼んでの社内勉強会などの元ネタはこの書籍です。

以下は、私がこの本の内容をネタ帳として使う上で気をつけていることです。

組織の文化に合わせてローカライズする

あくまでこの本に書かれているのは一般論です。どのパターンが合うのかや特定のパターンをどのように具体化するかは組織の文化に合わせて考えていく必要があります。

たとえば、以下のような動きをするとどのようにローカライズすればよいか考える材料が得られるでしょう。

  • EMに相談してみる。
  • 前例を調べてみる。可能であれば前回実施したときの反省点などを聞いてみる。
  • まずは小さくやってみて反響に合わせて調整する。

なお、この節で書いたことは、本の中でも「テイラーメイド」というパターン名で紹介されています。

多くのことを同時にやろうとしない

この本にはたくさんのパターンが成功例とともに紹介されています。そのため、読んだ直後は取り組めることの幅が大きく広がったように感じ、あれもこれもと様々な施策にどんどん手を付けたくなります。

ですが、まずは絶対に必要な少数の取り組みを成功させることに集中しましょう。

受け取れる以上の情報量を一度に投げつけても、受け手側が疲弊してしまうためです。多くの場合、多数の人に心から納得してもらうのには推進側が思っているよりもずっと時間を要します。一気に多くのことをやるよりも少数の重要な取り組みを継続しましょう。

この節で書いたことも同様に、本の中で「ステップバイステップ」というパターン名で紹介されています。

まとめ

エンジニアとして大きな仕事に取り組もうとすると、他人を巻き込んで仕事をする力が必要になってきます。 Fearless Changeは巻き込み力の教科書の決定版ともいえる書籍で様々なパターンが網羅されており、悩みに応じて様々な知恵を授けてくれます。

最近この本を最近数年ぶりに読みかえしました。新しい技術を「組織のあたりまえにインストールする」ことを意識することが多い時期だったこともあり、数年前読んだときには得られなかった学びを得ることができました。なにより、他人を巻き込みながら仕事をすることに取り組む勇気をもらえました。

この記事ではFearless Changeを紹介しましたが、他にも良い本や資料がありましたらはてなブックマーク等で教えていただけると嬉しいです。

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